bookmark_border[537] 12m FT8 遠距離DX

この週末も12m FT8で遠距離QSOができました。一つはポーランドです。昨年20mと15mでQSOできたのですが、今回初めて12mでつながりました。

もう一つはチェコです。ここも昨年15mでつながったのですが12mでは初めてです。

このQSOではPCのデコードが追い付かず、マニュアルで対応したためシーケンスがバタついてしまいました。でもQSOが成立して良かったです。

その後ドイツ局が見えたので呼んでみると、一度応答がありましたがそれきりになってしまい、結局QSOは成立しませんでした。

そのほか東欧や北欧の局も多く受信できていましたが、その中でウクライナ局が見えないのは何か寂しい気がします。これまでウクライナとは、30m、20m、17m、15m、12mの各バンドでつながっていますし、ウクライナのMaritime Mobile局とも40m、15m、10mでつながっており、当局にとって割と馴染み深いエンティティとの印象です。一日も早く戻ってきて欲しいと心から思います。

bookmark_border[536] JAL南回り

先日、ロシア上空の飛行を避けるため欧州路線の一部でJALは「北回り」、ANAは「南回り」の運行を始めたとのニュースを目にしました。ただこの「北回り」「南回り」は昔のルートとは大きく異なるようですね。

私が昔ヨルダンに出張していたころは、北回りは会社の規則で役職が上の人しか利用できなかったため、JAL南回りで一旦アテネに出てそこから乗り換えることが多かったです。機材はDC10でした。当時は担当者でもエグゼクティブクラス(ビジネスクラス)を使うことができました。

この路線は給油のため途中3か所か4か所に寄港します。そのため成田からアテネまで20時間以上、丸一日かかりました。食事は4~5回は出たと思います。

当時のルートですが、成田を出るとまずバンコクに止まります。その後は曜日によって経由地が異なりカラチかデリーだったと思います。その先は更に複雑で、クウェートかバーレーンかジェッダに降り、カイロに寄る便もありました。ほとんどの空港で一旦降機しトランジットエリアで1時間ほど待機します。

しかし、ジェッダ(サウジアラビア)では、機内にとどまる必要がありました。着陸前には客室乗務員から「酒類は上の荷物棚にしまってください。」との注意喚起があります。サウジアラビアはとても厳格なイスラム教の国のため、酒類の持ち込みは禁止で、たとえ入国せずにトランジットでもNGでした。着陸してしばらくすると係官が乗り込んできて、通路を歩きながら一通り目視チェックします。荷物棚まで開けることはありませんでしたが、酒類を持ち込んでいることはおそらく承知しているのでしょう。形式的なチェックでした。

カイロ寄港便ですと更に遠回りになりますので、成田からアテネまで24時間近くかかったと記憶しています。

アテネに到着するのは夜で、そこで一泊して翌日アンマンに向かうので、往路だけで足掛け3日の旅になってしまいます。帰国時はバンコクまで戻って来ると同じアジアということもあって、何か日本に帰ってきたような錯覚を覚えたものです。

また、スーダンの出張では、アフリカの場合は担当者でも北回り便の利用が認められていましたので、北回りでパリに出てそこから乗り継いでいました。ヨーロッパまではノンストップではありませんでしたが、南回りとは違い、寄港地はアンカレジかモスクワの一か所だけでした。

アンカレジのトランジットエリアには立ち食いそば屋があって、現地の日系のおばさんたちが日本語で迎えてくれます。やはりバンコクと同じように、帰国便でここに立ち寄るとホッとします。

と、「北回り」「南回り」という言葉に反応して無線とは全く関係の無い昔話を長々と書いてしまいました。今では飛行機の燃費が向上し航法技術も格段に進化していると思いますので、少し遠回りしても途中で一旦降りるということも無いのでしょうね。

bookmark_border[535] 再びSSN状況

最近は週末前にSSN(太陽黒点数)の状況を確認する癖がついてしまいましたが、先週はSSN推移から見た事前の予想に反して実際の電波の飛びは良いようでしたので、今回は一応参考までということで・・・

※NICT 宇宙天気予報センター「太陽黒点相対数の推定値」より引用

今週は持ち直してきていますね。概ね2週間周期といった感じです。やや頭打ちというのが少し残念ですが、今日は暖かくなるとの予報でベランダでのアンテナ作業がし易いと思いますので、ホイップアンテナの位置を少しずつ変えながら遠距離DXを試してみたいと思います。

それからATU-100につなげるロングワイヤの検討状況ですが、IV線をうまく空中に浮かせることができず難航しています。そこでネットを調べていたら新品のロッドエレメント(5m長)が樋口さん一名分くらいの価格で購入できることがわかりましたので、今のところそれが第一候補です。エレメントの先にはM6ビスが立っているので、ローバンドでの運用時にはそこにIV線を付けて長さを稼ぐこともできそうです。ただエレメントの根元にはポールへの取付金具が付いていないため設置方法が課題です。もう少し悩んでみようと思います。

bookmark_border[534] JTDXアップデート(157→158)

JTDXを「2.2.158」にアップデートしました。

しばらくはこのバージョンがリリースされたのを気付かずにおり、それをネット記事で知ってJTDXサイトにアクセスしたもののPCからセキュリティアラートが出たのでダウンロードを見合わせていました。しかしそれも解消されたようですので遅ればせながら作業をしました。

その後、このバージョンで何局かとFT8でQSOしましたが、見た目には前バージョンとの違いはわかりませんでした。TCI(Tranceiver Control Interface)関係の改善とかFT8デコーダのバグフィックス等含まれるようですが、残念ながら当局はここに書けるだけの知識を持ち合わせていません。

なお、先のバージョン「157」から送信時に送信出力とともにSWR値が表示されるようになったのですが、これまでPCの負荷を考えてそれらの表示は消していました。今回「158」にアップデートしたのを機に表示をONにしてしばらく様子をみたところ、特にPC動作には影響無さそうでしたので今はONにしています。

FT8の送信中はリグの表示を「ALC」にしているため、PC上で送信出力とSWRが同時にリアルタイムでモニタできるのは便利です。ちなみにSWRが1に近い場合は値が表示されませんが、これはバグなのでしょうか・・・?

bookmark_border[533] 電波伝搬シミュレータ(VOACAP Online)

先週末12m FT8で初めてクウェートとのQSOが成功したことから、どの様な伝搬状況だったのか知りたくなり、初めて「VOACAP Online for Ham Radio」を使ってみました。

これは米国VOA(Voice of America)が、自局の電波がどのように飛んでいくかをシミュレートするために開発したツールで、アマチュア無線用も用意されWeb上で公開されており、無償で利用可能です。

サイトはこちらです。

(VOACAPサイトの表示画面より引用)

画面上方にある「TX QTH」「RX QTH」をプルダウンで選択でき、JAは東京、京都、広島、鹿児島、札幌のいずれかを選ぶことができます。試しに「TX QTH」にJA Tokyo、「RX QTH」に9K Kuwaitを設定してみました。

次に、画面右側で通信モード(FT8)、送信出力(50W)を選択します。その下の「Antennas」ボタンを押すと、左側にTX/RXそれぞれのバンド毎のアンテナを選択する画面が現れます。

今回は12mのみで状況を確認したかったので、12Mのアンテナに「1/4 wl Vertical」を設定しました。RX側はデフォルトのままにしています。右側の「Setting」をクリックすると今度は各種設定画面が現れます。

・General Propergation Settings
Noise:これは自局のノイズ環境を設定するもので、住宅地(Residential)を選択しました。
SSN: 数か月間の平均値を入力するようですが、デフォルト「-1」のままにしておくと、自動で直近のSSN値が適用されるようです。
Min.TOA: 打上げ角でデフォルトのままにしました。

・Coverage Area Map Settings
Band: 12Mに設定しました。
UTC: 6(JSTの15時)に設定しました。

・TX Antenna Analysis Settings
Verticals,high dipolesを選択しました。

次に、右側の「Prop Charts」をクリックするとグラフが表示されます。グラフの種類は「Chart」のプルダウンで選択でき、「12M(24.9MHz)」を選ぶと下のような表示になります。

(VOACAPサイトの表示画面より引用)

凡例の上段3項にはそれぞれ「LP」が付いていますがこれはロングパス、下段3項はショートパスのデータです。「SDBW」(Signal Power at Receiver (dBW))は受信側Sメータの振れ、「MUFday」は使用周波数が MUF(Maximum Usable Frequency)より低くなる日数の割合、「REL」(Circuit Reliability)は接続可能性とのことです。横軸はUTCです。表示不要なデータは凡例の該当部分をクリックするとOFFになります。

最後に右側の「Prop wheel」をクリックするとこの様なグラフが表示されます。バンド毎の時間(UTC)単位での接続可能性のようですが、こちらのグラフの方が直観的に分かり易いかも知れません。

(VOACAPサイトの表示画面より引用)

このグラフはショートパスのものですが、ロングパスの状況を見るときは「SP」ボタンを押すと「LP」に切り替わりグラフも変わります。その下の「NoEs」ボタンはEスポを考慮するかどうかの切り替えです。また円の中心にはカーソルをあてた部分の時間・バンド・%が数字で表示されます。

その他このシミュレータには様々な表示機能があり、画面下方にあるボタンを押すことで各種グラフやデータを表示できますがあまり試せていません。なお、データ自体は月々の平均値で、日ごとのきめ細かい変化は見ることができないようです。そもそもが幅を持つ確率値ですので仕方ないですね。

今回のシミュレーション結果から、12mバンドでクウェートとつながり易い時間帯は概ね5:00~7:00UTC(14:00~16:00JST)で、当局の交信実績と整合することが確認できました。でも上の円グラフを見ると、15mであればもっと確実だったかも知れません・・・