bookmark_border[673] 子供の科学

先週末に「子供の科学」10月号が発売されたそうです。今回は創刊99周年記念企画ということですが、無線関係の記事は掲載されていないようで残念です。

(誠文堂新光社のサイトより画像引用)

久しぶりに見る表紙がとてもカラフルなのに驚きました。でも「子供の科学」の字体が昔のままなのが良いですね。また未来志向というコンセプトもブレていないようです。来年は創刊100周年ですので、次こそは無線関係の記事を載せて欲しいものですが、「未来志向」には反してしまうのでしょうか・・・

私の少年時代は、学研の「科学・学習」と共に、この「子供の科学」が毎月の楽しみでした。折込みの紙ヒコーキで遊んだり、記事を見ながらラジオを組み立てたり、また巻末の科学教材社の広告も食い入るように眺めていました。当時、科学教材社は神田にあり、向かいが誠文堂新光社だったと記憶しています。この店には何度か行きました。狭い店の中には模型やラジオキットなどが積み上げられていて、私にとってはまるで宝石箱のようでした。科学教材社と言えば「0-V-2」を連想しますが、なぜか単球ラジオや5球スーパーのキットを買っていました。また、同社発行によるカタログ広告誌「工作ガイドブック」もワクワク感に溢れていましたね。

歳を重ねるにつれ「ワクワク感」の対象は変わってきてはいますが、いつまでもこの感覚は持ち続けていたいと思います。

 

bookmark_border[146] ホイッスラー現象と南極

大学では一般教養科目にはあまり興味はありませんでしたが、専門科目には興味を引く講座が多く、その中でも、電磁波を専門とする教授の講義は特に印象に残っています。

アマチュア無線では扱わない数KHz程度の超長波(VLF)が地磁気の磁力線に沿って伝搬する「ホイッスラー現象」の様子や、その教授が南極越冬隊長をされたときのスライドなど、情報量が豊富な割には易しく楽に受講することができたように思います。

最近のCQ誌にも南極越冬隊の記事が載っており興味深く拝読させていただいています。電波伝搬は自然現象ですので、様々な自然現象を観測する南極観測と電波は切り離せないものがありますね。無線業務に携わる方には、南極に対して特別な思い入れのある方が多いのではないかと想像します。

ところで、今活躍している南極観測船は「二代目しらせ(5003)」ですが、「初代しらせ(5002)」は船橋にあるサッポロビール千葉工場横の岸壁に係留されています。以前訪れたときは内部を見学できビデオなども見せていただきましたが、今はコロナの影響で見学は中止しているようです。

そこは、日本に居ながらにして南極気分を味わえる貴重な場所かも知れません。

bookmark_border[145] HF通信におけるノイズ低減

アマチュア無線に関する話題ではないのですが、40年前に大学の卒論のために船舶HF通信のノイズ低減について研究したときのことをふと思い出しました。

当時はもちろんアナログ通信で、船舶ですから過酷な自然環境にさらされて通信品質に影響を及ぼします。特にAMやSSBなどの振幅変調方式の通信では、熱帯性驟雨(スコール)などの強い雨により信号の振幅が変動して通話の明瞭度が悪化するため、それをいかに改善するかがテーマでした。

通常のゆっくりしたフェージングとは異なり、スコールによる振幅変動は、振れ幅は小さいものの周期が短くてランダムでホワイトノイズに近いため、それをAFレベルでいかに低減するかというのが課題でした。ホワイトノイズは周波数全体に満遍なく広がるため、音声帯域以外を遮断するようなフィルタでは防ぐことができません。

一方、ホワイトノイズは時間的にランダムですので、自己相関すなわち時間「Δt」離れたノイズとの相関はゼロになり、逆にΔtがゼロの場合は相関は限りなく大きくなります。実際は純粋なホワイトノイズではないので、そのようなインパルス状にはならないのですが、ノイズ信号の周波数軸を時間軸に変換すると、時間「0」近辺に多くのエネルギ―が集中するのがわかります。

この特徴を利用して、AF信号をA/D変換し、それをFFTに掛けて時間軸に変換、時間「0」近辺のデータを取り除き、逆FFTに掛け周波数軸に戻し、最後にD/A変換してアナログ信号に戻すという作業を、ミニコンを使ってソフトウェアでシミュレーションしていました。なお、ノイズが乗ったAF信号を一定の時間枠で切り取って上記の処理をし、その結果をつなぎ合わせるというプロセスも必要でした。

その結果どうだったか・・・は、残念ながらあまり記憶がありません。ただほんの入り口ではありますが、実験を通じて信号処理理論に触れることができたのは良かったと思っています。今や、DSPさらにはPCアプリを使ったリアルタイムでのフィルタリングが当たり前ですので、それがブラックボックス化してしまい、基礎理論をシミュレートする機会が少なくなったことを考えると貴重な経験でした。

bookmark_border[44] 5Gの周波数

今年国内でサービスが始まったばかりの「5G」ですが、周波数は大きく分けて3.7GHz、4.5GHz、28GHzの3バンドが割り当てられているとのことです。

これはアマチュア無線用周波数の1,000倍ですね。周波数が高いだけにアンテナの放射効率や指向性の面で様々な解決すべき課題があるものと推察します。

以前、ガラス窓を基地局アンテナにするという記事を見たことがあります。いかに透明なガラス窓の機能を損なうことなくアンテナを構成できるかですが、カーナビ用のTVアンテナもクルマのフロントガラスの上の方に張り付けていますよね。あれの大掛かりなものかも知れません。

少し話が逸れますが、透明なソーラーパネル付きの窓ガラスが実現できないものかと思います。そうすればビルなどは外観を変えることなくソーラー発電ができます。ガラスに貼る透明な配線は実用化できていますので、ソーラーパネル自体の透明化が鍵となりますが、光エネルギーを電気エネルギーに変換するということはそこで光エネルギーが減衰するということですので、ガラスは光を通さなくなってしまいますね。

可視光以外の紫外線や赤外線のエネルギーを電気エネルギーに効率良く変換できれば良いのですが・・・

bookmark_border[42] 無線との関わり

懐古的な内容になってしまいますが、私の無線との関わりは小学校時代に遡ります。

電波を発信する機器(=送信機)との付き合いとしては、おもちゃのトランシーバー(学研ラジホーン)で遊んだのを皮切りに、ラジコン戦車を作って走らせたりしたことがありました。当時、ラジコンには簡易型の「シングル方式」というのがあり、これは送信機のボタンを押していくとサーボモータが動いて、前進、右、左、停止、後進など、順序は忘れましたが順番に切り替わっていくものでした。

ヒノデ製のラジコン装置で、水色の送信機の筐体には電源用のスライドスイッチとコントロール用の赤い押しボタンスイッチがついていました。送信機と受信機、サーボモータがセットになって価格は1万円ほどだったと記憶しています。

また、ヒノデのシングル方式の送信機は2種類あって私が使っていたのは安い方ですが、高い方はシングル方式ながらも高級感があり金属筐体にメーターがついていたように思います。本当はこちらの方が欲しかったのですが言い出せませんでした。変なところで親に遠慮したのかも知れません。

ラジコン装置を搭載する戦車はタミヤ製 1/25スケールの「パンサー」でドイツの代表的な戦車です。キャタピラはプラスチックながら1つずつ連結していくもので、プラモデルの組み立て、塗装、ラジコン操作など様々なポイントから楽しむことができ、50年経った今でも鮮明に記憶に残っています。

この様なことを書いていると、ますます当時の記憶が蘇ってきます。無線とは全く関係ありませんが、Uコン飛行機に興味を向けたこともありました。

エンジンはビギナー向けのFUJI 099です。騒音対策としてサイレンサーを付けましたが、エンジン本体の両側に開いている四角い排気口に外側からバネの力で挟み込むもので、ENYAの丸っこいマフラー然としたものとは違い、子供心にデザイン性に難を感じたものです。とりあえず手作りの木製マウントにエンジンを固定してプロペラを付け、燃料タンクにグロー燃料を入れ、スロットルを少し開けて空回ししたのちグロープラグに2Vの小型鉛蓄電池をつなげて力を込めてプロペラを指で回してエンジンを始動する・・・などをやっていました。
飛行機本体も作ったのですが、実際にエンジンを搭載してワイヤを付けて飛ばした記憶がありません。模型屋でENYAのエンジンを眺めているうちにFUJIが見劣りし、徐々に興味が薄れていったのかも知れません。今でもFUJIやENYAのエンジンは売られているのでしょうか?