bookmark_border[643] 「ATU+ロングワイヤ」再チャレンジ

そろそろまたベランダのアンテナ環境を変えてみたくなり、1年余り前に一度試みて挫折した「ATU+ロングワイヤ」を再度チャレンジしようと画策中です。

当時は、シャックから遠隔操作できるようにしたベランダ設置の「ATU-100」と「5m長ロッドアンテナ」の組み合せで試したのですが、6m・10m・40mはSWRが下がらずNG、12m・15m・30mはOK、17m・20mは一応TUNEはできたものの電波を出している途中でJTDXの「リグコントロールエラー」となってNGでした。

10mはエレメント長が1/2λのため、また40mはエレメントが短すぎたためSWRが下がらず、そしてUNUNを使わずにやっていたため回り込みが発生したのかなと思っています。

今にして思えばATU-100はロングワイヤには使いずらく、ある程度マッチングが取れたアンテナの可用周波数幅を広げるためのもので、リグ内蔵チューナよりももう少し調整幅が広めの屋内型チューナとの位置付けと理解しています。

そのためロングワイヤ用のATUが必要との思いに至り、最近はメインリグのFT-991AMから自動コントロールできるFC-40を第1候補として考えています。もちろんロングワイヤ自体をどうするかという課題もありますが、ATUが決まればその他を準備するモチベーションも上がるはずですので、まずはATUを検討したいと思っています。

bookmark_border[566] ATU-100使い方

昨日の記事と順序が逆になってしまいますが、改めてATU-100の使い方について整理しました。ファームウェアのバージョンは「3.2」です。またリグはFT-991AMでチューナ設定はOFFにしました。

1.電源ON

2.チューニング

リグの送信出力を15Wに設定。「TUNE」を押した後リグのTXをON。当局はJTDXでDFを高めに設定しJTDXのTune機能を使いました。

3.AUTOモード

「AUTO」を押すとこのモードに入ります。これはSWRが悪化したときに自動的にTUNEする機能です。このモードでは「PWR=0.0W.」のようにWの右側にピリオドが表示されます。

4.BYPASSモード

「BYPASS」を押すとこのモードに入ります。これは文字通りATUをバイパスさせる機能です。このモードでは「PWR=0.0W_」のようにWの右側にアンダースコアが表示されます。

5.FAST TESTモード

昨日の繰り返しになりますが、「AUTO」「BYPASS」「TUNE」を同時に押しながら電源ONするとこのモードに入ります。全てのリレーがONする機能です。

6.SIMPLE TESTモード

これも昨日の繰り返しになりますが、「AUTO」「BYPASS」を同時に押しながら電源ONするとこのモードに入ります。L値・C値をマニュアルで設定する機能です。

7.FIDER LOSS設定モード

「TUNE」を押しながら電源ONするとこのモードに入ります。フィーダ(Feeder?)ロスを設定する機能です。屋内でATU-100を使用する際にフィーダロスを設定すると、電力(表示)値を較正することができます。

bookmark_border[565] ATU-100テストモード

ATU-100のテストモードについて整理してみました。

1.Fast Test Mode(全リレーをONするモード)
「AUTO」「BYPASS」「TUNE」を同時に押しながら電源ONすると、Fast Test Modeに入ります。

2.Simple Test Mode(マニュアルでL・C設定=リレーをON/OFFするモード)
「AUTO」「BYPASS」を同時に押しながら電源ONすると、Simple Test Modeに入ります。以下はSimple Test Modeにおける動作です。

・初めに「TEST MODE」と表示され、その後、下のように表示されます。

「PWR=0.0Wl」の最後の「l」は小文字の「L」です。ここで「BYPASS」を押していくと段々L値が大きくなっていき、逆に「AUTO」を押していくと小さくなっていきます。

これがL値を最大にしたときの表示です。

・次に「TUNE」ボタンを長押しすると、「PWR=0.0Wc」と表示されC値の調整ができるようになります。L値の調整と同様、「BYPASS」を押すとC値が大きくなっていき、「AUTO」を押すと小さくなっていきます。

これがL値とC値を最大にしたときの表示です。

・「TUNE」を短く押すと、L値とC値の表示位置が入れ替わります。

なお、L値は0μH~8.53μHの128段階、C値は0pF~1869pFの128段階で、合計16,384通りの組み合わせで調整することができます。

bookmark_border[564] ATU-100での初QSO

思い立ってベランダに設置したATU-100のチューニングにトライしてみました。エレメントは5m長のロッドアンテナですが、ベランダから思い切って外に向けてロッドを伸ばす勇気も出ず、ベランダ内にほぼ平行に設置し、先っぽの1m足らずの長さの部分が少し外に出るようにしました。

前回は、リグから10Wを入れても高SWRとなって出力があまり出ず、ATU-100のTUNEができなかったのですが、今回は少し勇気を出して15Wを入れるとうまく動作しました。

6mから順に一つずつバンドを確認していくと、6m・10m・40mはSWRが下がらずNG、12m・15m・30mはOK、17m・20mは一応TUNEはできたものの電波を出している途中でJTDXの「リグコントロールエラー」となってNGでした。リグコントロールエラーはクランプコアを増やせば大丈夫だと思いますが、もう手持ちがないため今後対応したいと思います。

これが12mでTUNEしたときのATU-100コントローラの表示です。この時はリグから50W出していますが、途中で0.8dBほどロスっていますね。でもATUとエレメントを含めた効率は良いようです。

TX OFF時はこの様になり、C値・L値が表示されます。

この時は12mでインドネシア・フィリピン・オーストラリア・ニュージーランドとのDXを、30mでは国内1, 2, 3, 6, 7, 8, 9エリアの局長さんとFT8でQSOさせていただきました。

なお、PSK Reporterで見た伝搬状況はこのような感じで、ほとんどベランダ内に隠れたアンテナですが意外と電波は飛んでいるようでした。

備忘録としてバンド毎のATUのC値・L値を載せておきます。

・12m:100pF、0.67μH
・15m:0pF、0.45μH
・17m:0pF、1.45μH
・20m:147pF、0.33μH
・30m:320pF、0.67μH

bookmark_border[557] ATU-100とHFV5

ATU-100をロングワイヤにつないでTUNEしようとしても、一部バンドを除き「Hi-SWR」となってリグRF出力が抑えられ、ATU-100がTUNE動作する最低入力電力に届かないためTUNEできない・・・という趣旨で昨日投稿しました。

その後、元々同調が取れていないロングワイヤの代わりに、各バンドで調整済みのHFV5をつないだらATU-100がどの様な動作をするかを試してみました。

その結果、ロングワイヤとほぼ同じ状態となりました。ATUユニット内のRFケーブル引き回しの関係で、特にハイバンドでは影響が出ているのかなとも思いましたが、同じルートでATUのリレーだけをバイパスしてもHFV5ではきちんと各バンドでマッチングが取れていますので、引き回しはそれほど影響していないものと思われます。

そうすると、解決にはやはりリグの高SWR保護機能の調整(解除)や、ATUの最低動作入力電力の変更など根本的な処置が必要になりますね。前者はファイナルへの影響が心配ですし、後者はハード・ファーム両面で変更が必要のようでハードルが高そうです。またFT-991AMのTUNEモード設定(特にEXTERNAL)については不勉強ですので、ここにもヒントがあるかも知れません。

ところでATU-100を立ち上げたときにこの様に表示されるのですが、一度、NanoVNAを使ってバンド毎のATUの入力インピーダンスを追いかけてみようかと思います。

なお、ATU-100のマニュアルによると「BYPASS」と「AUTO」ボタンを押しながら電源ONすると「Simple Test Mode」に入り、L、Cがマニュアルで設定できるとのことです。そこでATUにロングワイヤを付け、L、Cをマニュアルで変えながらATUの入力インピーダンス(スミスチャート)の動きをNanoVNAで観測すると、各バンドで最適なL、C値が分かると思います。でもそうするとATUでなくマニュアルチューナになってしまいますね。