bookmark_border[32] スプリット操作

JTDXの無線機設定項目に「スプリット操作(Sprit Operation)」というのがあります。FT8で「スプリット」というと、送信信号と受信信号を別々の周波数に設定するというイメージがありますが、この「スプリット操作」はそれとは異なりオーディオ信号の高調波を通信周波数帯の帯域外に逃がして他局への妨害を軽減させる機能です。

例えばFT8では帯域は3KHzですので、送信信号周波数(DF)が1500Hz以上であれば高調波は3000Hz(3KHz)以上、すなわちFT8の帯域外に外れるため妨害を無くすことができます。従ってDFを常に1500Hz以上に設定して送信すれば良いのですが、もし局数が多く出ている場合は下の方の周波数を使うこともあり、そうすると信号の高調波成分がFT8の帯域内に落ちてきて妨害を与える可能性が出てきます。

そこで、DFを1500Hz~2000Hz以外の周波数に設定した場合、PCからリグに送られるオーディオ信号の周波数は1500Hz~2000Hzの範囲内に収めつつ、送信信号周波数をDFに合わせるために送信キャリア周波数(例えば40m帯の国内用であれば7.041MHz)自体を自動的に上げ下げして送信するのがスプリット操作です。

スプリット操作の設定は「無し」「リグ」「Fake It」の3種類あります。

「リグ」設定はVFOを2つ持つリグを使う場合に使用することができ、VFOの一方を受信用、他方を送信用とし周波数を自動設定して信号を送信する機能です。また「Fake It」はVFOを1つしか持たないリグを使う場合に使用するもので、受信時、送信時にVFOの周波数を切り替えて運用する機能です。

当局の場合、リグにはVFOが2つあるのですが「リグ」設定するとQSOの成功確率が落ちるような気がします。VFO切替やPCからのオーディオ信号送出、TX ON等のそれぞれのタイミングなどが関係しているのかと想像しますが、今後検証してみます。ここら辺もアナログ的なトライアルアンドエラーの要素があり興味深いところです。

ちなみに40m国内バンド(7.041MHz)における送信周波数の動きを見てみたら次の様になっていました。

・DF設定値が500Hz未満 → 送信VFO=7.0395MHz
・DF設定値が500Hz以上1000Hz未満 → 送信VFO=7.0400MHz
・DF設定値が1000Hz以上1500Hz未満 → 送信VFO=7.0405MHz
・DF設定値が1500Hz以上2000Hz未満 → 送信VFO=7.0410MHz
・DF設定値が2000Hz以上2500Hz未満 → 送信VFO=7.0415MHz
・DF設定値が2500Hz以上 → 送信VFO=7.0420MHz

蛇足ながら、DFを3000Hzに設定したところ送信VFOは7.0425MHzに設定されました。電波は出していませんが・・・

bookmark_border[31] アマチュア無線における「DX」

アマチュア無線の世界では「DX」というと外国局との交信になりますが、他方、最近巷で流行っている「DX」すなわちデジタルトランスフォーメーションという意味では、アマチュア無線においてもDX化が進んでいるのではないでしょうか。

JT65やFT8など通信方式のデジタル化もそうですが、リグ・PC連携は当たり前になり、リグ自体にもDSPは元より大型カラーLCDやSDRなどの技術が多用されるなどデジタル技術が浸透しているようです。

アマチュア無線のDX化に伴い、(本来の意味の)DXもかなりハードルが下がったと実感しています。しかしながら、最後は良質な信号を乗せた電波をいかに効率良く遠くまで飛ばすか、いかに弱い電波を拾って信号を解読するかという、アマチュア無線本来のアナログ性能によるところが大ですので、その点では趣味の本質は昔から変わっていないように思います。

デジタル技術の助けもあり、当局が出す微弱な信号を遠くでキャッチしていただけるようになりました。これは相手局の無線設備の性能によるものが大きく、そのような設備を設置・運用していただいているからこそ成り立つ遠距離QSOですので、相手局の方には感謝の限りです。

bookmark_border[30] 嬉しい体験

しばらく6mでFT8を「ながらワッチ」していたら、突然当局が呼ばれて驚きました。PCで他の作業をしている最中で、何気なく画面を見たら赤文字が現れ、2~3秒は経過していたのですが慌ててクリックすると無事一発でQSOが成立しました。

当局がCQを出したのは10分以上前ですし、その後もQSOをしていないのでなぜ私がワッチしているのがわかったのでしょうか・・・もしかすると私がまだいると思ったのかも知れません。(当たりです)

あるいはPSK Reporterを見たのかも知れませんね。いずれにせよ、他局から呼ばれるのは嬉しいことです。

bookmark_border[29] FT8(強い信号の波形)

ワイドスコープのウォーターフォールで受信信号を見ていると、強く受信する局の波形がたまに別の場所にも現れることがあります。

少々見づらいですが、900Hz近辺に本体の信号があり、2700Hz近辺には幅の広い信号が出ています。2段のうち上段の半分ほどに来たところでリグのAGCをONにしたら2700Hz近辺の信号は消えました。

送信側の信号の歪なのか受信機の性能の問題なのかわかりませんが、前者の場合、私の信号も同じように他の局に影響を与えている可能性があり、ALCには留意が必要であること再認識しました。

bookmark_border[28] FT8(CQの波形)

JTDXのワイドスコープでウォーターフォールを眺めていたら、CQ局の波形に共通点があるのを発見しました。

FT8 CQ

これは2局がCQを出しているときのウォーターフォールの画像を切り出したもので、共通点としては人が右を向いて口を開けているように見えます。他のCQ局の波形も見てみましたが、やはり同じような形でした。ただし信号が弱いと判別が難しくなります。

おそらく「CQ」を8値のコードに置き換えると、波形的にこのように左の方に偏り右側に大きな空間ができるのだと思います。PCがデコードし表示する前にCQを受信しているのかどうかわかると、何かメリットがありそうな気がします。