bookmark_border[311] ATAS-120A伝搬状況

これはATAS-120Aを運用開始した日のFT8伝搬状況です。

(青:40m、緑:30m、黄色:17m、茶色:15m)

SD330よりも大きさが格段に小さいにもかかわらず飛びは良い印象です。受信の方もそれほど悪くなったという感じではありません。

このアンテナの初めてのDXはブルガリアでした。当局にとっても初めての国です。

スムーズにQSOできています。その後キューバの局ともコンタクトできました。

相手局の信号をデコードし終わる前に再送してしまいましたが、慌てて応答信号をクリックして事なきを得ました。思いのほか強く飛んでいるようです。

この他、アルゼンチン、米国、オーストラリア、フィジー、インドネシア、西マレーシア、グアム、ロシアともQSOができました。

ちなみに国内にも満遍なく信号が届いていたようです。奄美・沖縄方面には届いていませんでしたが、台風の影響でQRTされている局が多いためでしょうか。

コンディションが良かったこともあるのでしょうが、ATAS-120A運用初日にこの様な予想をはるかに超える結果となり、またバンド切替もボタン一つで簡単にできるため、購入して本当に良かったと思っています。課題は20m、12m各バンドのSWR改善ですが、しばらくはカットアンドトライアルが続きそうです。

一方、SD330には残念な形になりましたが、今後80mや160mで運用するときはHFJ-350Mを使うことにし、SD330は少しQRTということになるかと思います。

bookmark_border[307] 昨夜の状況

昨夜はSD330を取り付けるのも億劫だったため、常設のベランダアンテナを使い10m/6m/2m/430 FT8でCQを出してみました。その時の伝搬状況はこんな感じです。6mの信号が比較的強く韓国に到達していたようです。

(薄いピンク:10m、赤:6m、濃いピンク:2m、濃い緑:430)

平日のせいかどのバンドもガランとしていて、結局10mでロシア局2局のコンタクトに終わりました。1日の成果がDXだけというのも珍しいです。

bookmark_border[304] FT3D+SRH770のSAR推定

無線機器の電波を一定時間で人体がどれほど吸収するのかを示す指標としてSAR(Specific Absorption Rate:電波の比吸収率)があります。

携帯電話機では、SARについて頭部組織10gに吸収されるエネルギー量の6分間平均値が2W/kgを超えないよう義務付けられており、各通信事業者は機種毎にSAR値を公表しています。
例)NTTドコモの関連サイト

他方、アマチュア無線機にはSARの基準は無いようです。

そこでFT3DにSRH770アンテナを付けてヘッドセット無しで5W運用したときの頭部への影響を探ろうと、ネット情報などを参考にしてSARを推定してみました。携帯電話機でOKとされている2W/Kg以下になっていればひとまず安心だろうということで・・・

下に挙げた諸々の資料によると、一般環境における「電磁界強度指針(6分間平均値)」は、電力密度S(mW/㎠)が30MHz~300MHzでは0.2、300MHz~1.5GHzではf/1500とのことです。

また、アンテナと人体との距離が近い場合は「局所吸収指針」としてSARを使い、100KHz以上300MHz未満で20cm以内、300MHz以上6GHz未満(※)で10cm以内に適用され、それ以外の距離においては電磁界強度指針によります。(※過去の資料では3GHz未満となっていますが、最近の資料によると6GHz未満までは局所吸収指針が整備され6GHz以上は未整備で、5G通信のミリ波運用に備えて検討中のようです。)

SAR自体は電波暗室の中で実機とファントム(疑似人体)を使って実測しないと出てきませんので、まずは簡易的に理論上の電力密度を求めてみます。

電力密度(W/㎡)=(電力xアンテナゲイン)/4πd2
(その他パラメータは考慮していません)

ここでFT3Dの送信出力(5W)、SRH770のアンテナゲイン(430MHz帯で5.5dBi=3.5倍)、距離d(0.1m)を当てはめてみると・・・

電力密度=141W/㎡=14mW/㎠

430MHzにおける電磁界強度指針は430/1500=0.29mW/㎠ですから、約49倍とかなり大きな値になりました。

なお10cmの距離では局所吸収指針が適用されますので、電力密度(mW/㎠)をSAR(W/Kg)に換算する必要があります。頭部組織の電波吸収特性は完全に無視するとして、仮に60Kgの人の投影面積を0.6㎡とし、頭部の重さと投影面積をその1/10にした場合・・・

・頭部の重さ:6Kg
・頭部の投影面積:0.06㎡

より、頭部における電波吸収率(?)SAR(W/kg)は

SAR=電力密度 141W/㎡ x 頭部投影面積 0.06㎡ / 頭部の重さ 6Kg = 1.41 W/Kg

で、2よりも小さくなりました。減衰パラメータやアンテナエレメント長は考慮していませんので実際はこれよりも低い値になるものと思いますが、逆に真のSARは頭部組織の電波吸収特性によるところが大きいと思われますので、これを無視して「SARを導き出せた」というのは無理がありますね。

一方、電磁界強度指針との関係では、指針の0.29mW/㎠以内に抑えるには70cmほど離す必要がありそうです。ちなみに2mバンドではSRH770のアンテナゲインは2.15dBiですので、430MHzでOKであれば2mでも問題無いと思われます。

この様にかなり雑な考察ではありますが、一応携帯電話機のSAR基準値以下の値が出たものの電磁界強度指針からは大きく外れていますので、「FT3D+SRH770」の組み合わせでヘッドセット無しの5W運用はできれば避けた方が良いかも知れません。今後、このリグで本格運用するときは「SSM-BT10」が活躍しそうです。

ちなみにFT3D標準添付のホイップアンテナのゲインはわかりませんが、5W出力の場合、仮にアンテナゲインを2.15dBiとすると電磁界強度指針以下に抑えるためには50㎝弱、アンテナゲインを0dBi(-2.15dBd)とすると40㎝弱、人体から離す必要がありますね。

(参考資料)
ARIB「くらしの中の電波」
総務書「電波防護のための基準の制度化」
総務省「電波防護のための基準への適合確認の手引き」
総務省「局所吸収指針の概要について」
総務省「電波の安全性に関する調査及び評価技術」のページ
電波防護指針(H9/4/24付)

bookmark_border[301] 久々の2m

久しぶりに2m FT8に出たところ秋田市のOM局に取っていただきました。

信号は意外に強く、スムーズにQSOすることができました。秋田は、アンテナを設置しているベランダとは反対方向なのですが、斜向かいにビルが建っているため、それに反射して届いたものと思われます。

2mでは、普段は関東エリアと東海エリアの一部、甲信越エリアの一部にしか届きませんが、たまに遠くの局とコンタクトできると嬉しくなります。もっとも相手局のアンテナ設備に大いに助けられているからこそですので感謝です。

bookmark_border[300] 無線運用復帰

この一週間ほど、所用のため無線の運用ができない日々が続きました。

そのため最近のコンディションが気になってPSK Reporterで日曜日から月曜日の状況を見てみると、2mでは米国、ロシア、中国が開けていて、米国とはQ65でつながっていたようです。

当局のアンテナ環境では2mでのDXは無理なため羨ましい限りですが、何とか「JD1」局と2mでQSOできることを願って、今週は少しアクティブに出てみようと思っています。

ところでFT3D用にと購入したSRH770アンテナを本体と一緒に収納するためのケースを探そうと思い、試しに今使っている100円ポーチにアンテナを入れてみたところ何と見事に収まりました。そもそもサイズ的にあきらめていたのですが、ポーチの素材が伸縮性のあるものだったため、底の部分にピッタリと収まってしまいました。FT3D本体、ACアダプタ、USB充電ケーブル、PCケーブルも、うまく一緒に収納することができましたので、持ち運び用ケースの件はこれで解決です。