bookmark_border[55] アルインコ

当局のリグには、DM-330MVという「アルインコ」製の安定化電源を使っています。

アルインコはモービル機、ハンディ機も販売していますが、私の開局当時はアマチュア無線の分野ではなじみがありませんでした。同社の沿革を見ますと「1977年 工業用無線機器の製造を開始」とあります。元々は建設用の足場やはしご、脚立などの事業を行っていて、無線機器の分野に事業を拡げていったようです。

今もコア事業は建設機材関連で、売上高の67%すなわち2/3を占めています。一方、電子機器関連はわずか6%です。

その程度の割合にもかかわらず、アマチュア無線の分野ではアルインコは一定の存在感があります。同社のビジョンは「ニッチマーケットでトップ企業に」とのことですので、これからもニッチ製品を提供し続けていただきたいと思います。

bookmark_border[54] ICOM

当局のリグですが、過去は「トリオ」(一時期「福山」)で今は「八重洲」ですので、一度も「ICOM」機を使ったことがありません。

開局当時の1970年代前半、ICOMは「井上電機製作所」という社名で「ICOM」ロゴを付けた6mポータブル機のAM3Dを販売していました。その後、松下電器からRJX-601が出ると若者はそちらに飛びつき、それと共にAM3Dの影が薄くなったという印象を持っています。

現在のICOMの業績を見てみますと、売上高は300億円と八重洲無線の2倍余り、利益率も8%程度と機器メーカにしては高利益率を上げているようです。アマチュア無線機事業は高級機路線を行っているように思われ、統一感のある商品コンセプトと相まってビギナー、ベテラン問わずファンも多いものと想像します。

私も一度はICOMのリグを使ってみたいと思っていますが、中々その機会がありません。というか正直なところ私にとってとても高価な買い物になるため、躊躇してしまうといった方が正しいと思います。

クルマのようにリグもレンタル品があればお試しで使ってみることができるのですが、免許の関係で難しいですね・・・

bookmark_border[41] ALC

PCからリグへ入力するオーディオ信号の強さについて「過変調にならないようALCメーターを振らせないこと」とよく言われており、そもそも当局のリグ(FT-450DM)のALCメーターの働きがわからなかったので調べてみました。

リグのオペレーションマニュアルにはALCメーターの説明として「送信回路のALC電圧を表示します。SSBモードの時には、音声入力に従ってメーターが振れます。」とあります。またメーターは相対値を表しているとのことです。
ネット検索してみると関連の話題が「HamRadioForum.net」に載っていました。以下のことが書いてあります。

・the ALC is a little different to other radios. ALC(の動作)は他の無線機とは少し異なる

・As it gets to the limit of the scale it automatically starts to lower the gain to keep the power out within limits. フルスケールまでいくと自動的にゲインを下げてRF出力を規定値内に保つようにする

従って、FT-450D(M)のALCメーターは「フルスケールより超えて振らさない」というのが正しいオペレーションと理解しました。

なお、これまでは安定化電源のアンペアメーターを見て、オーディオ信号レベルを下げていき電流値がストンと落ちる手前のレベルに設定していました。その状態でALCメーターの振れはフルスケールから80~90%程度のところにあり、これが適正値なのかなと勝手に思っています。

bookmark_border[38] ビギナー向け設備

CQ誌最新号の特集は「アマチュア無線機購入ガイド」で別冊付録に「2020アマチュア無線機器カタログ」というのが付いており、最近のリグが多数紹介されていてとても参考になりました。

当局が使っているリグはFT-450DM、アンテナはベランダ設置の短縮ダイポールHFV5で、いわゆる「ビギナー向け」設備の部類です。

私は中級機や高級機(の所有)に対する憧れはあるものの、それらはおそらく当局の使用環境にマッチせず宝の持ち腐れに終わってしまいそうで、購入意欲を掻き立てられるまでには至っていません。そもそも原資が限られているという事情もあり、今の設備構成はバランスが取れていると自己満足しています。

電波の飛び方はリグよりもアンテナの性能や周囲の状況に大きく左右されますので、私の環境下ではビギナー向けリグで十分だと思っています。その中でいかに交信エリアを広げていくかが課題で、今後の楽しみの一つでもあります。

bookmark_border[32] スプリット操作

JTDXの無線機設定項目に「スプリット操作(Sprit Operation)」というのがあります。FT8で「スプリット」というと、送信信号と受信信号を別々の周波数に設定するというイメージがありますが、この「スプリット操作」はそれとは異なりオーディオ信号の高調波を通信周波数帯の帯域外に逃がして他局への妨害を軽減させる機能です。

例えばFT8では帯域は3KHzですので、送信信号周波数(DF)が1500Hz以上であれば高調波は3000Hz(3KHz)以上、すなわちFT8の帯域外に外れるため妨害を無くすことができます。従ってDFを常に1500Hz以上に設定して送信すれば良いのですが、もし局数が多く出ている場合は下の方の周波数を使うこともあり、そうすると信号の高調波成分がFT8の帯域内に落ちてきて妨害を与える可能性が出てきます。

そこで、DFを1500Hz~2000Hz以外の周波数に設定した場合、PCからリグに送られるオーディオ信号の周波数は1500Hz~2000Hzの範囲内に収めつつ、送信信号周波数をDFに合わせるために送信キャリア周波数(例えば40m帯の国内用であれば7.041MHz)自体を自動的に上げ下げして送信するのがスプリット操作です。

スプリット操作の設定は「無し」「リグ」「Fake It」の3種類あります。

「リグ」設定はVFOを2つ持つリグを使う場合に使用することができ、VFOの一方を受信用、他方を送信用とし周波数を自動設定して信号を送信する機能です。また「Fake It」はVFOを1つしか持たないリグを使う場合に使用するもので、受信時、送信時にVFOの周波数を切り替えて運用する機能です。

当局の場合、リグにはVFOが2つあるのですが「リグ」設定するとQSOの成功確率が落ちるような気がします。VFO切替やPCからのオーディオ信号送出、TX ON等のそれぞれのタイミングなどが関係しているのかと想像しますが、今後検証してみます。ここら辺もアナログ的なトライアルアンドエラーの要素があり興味深いところです。

ちなみに40m国内バンド(7.041MHz)における送信周波数の動きを見てみたら次の様になっていました。

・DF設定値が500Hz未満 → 送信VFO=7.0395MHz
・DF設定値が500Hz以上1000Hz未満 → 送信VFO=7.0400MHz
・DF設定値が1000Hz以上1500Hz未満 → 送信VFO=7.0405MHz
・DF設定値が1500Hz以上2000Hz未満 → 送信VFO=7.0410MHz
・DF設定値が2000Hz以上2500Hz未満 → 送信VFO=7.0415MHz
・DF設定値が2500Hz以上 → 送信VFO=7.0420MHz

蛇足ながら、DFを3000Hzに設定したところ送信VFOは7.0425MHzに設定されました。電波は出していませんが・・・