bookmark_border[455] 「初代しらせ」のアンテナ

南極観測船は現在4代目の「2代目しらせ」が活躍していますが、先代の「しらせ」は船橋市の岸壁に係留保存されています。先日、久しぶりにその姿を見る機会がありました。

コロナ前は船内を見学できたのですが、今はそれも中止となっています。でも向かいの建物の窓越しではありますが、良く手入れされた船体を見ることができました。

船上には様々なアンテナが設置されていますが、中でも目立つのはファンネル上方のログペリアンテナです。これは日本との間の通信用に使われたとのことです。

アンテナ製造元の日本電業工作さんのサイトにはこのアンテナについて解説が載っています。

ところで電業さんというと、昔、私が海外向け自動車電話基地局のシステム設計をしていたときにアンテナの関係で大変お世話になった会社です。当時の基地局アンテナは、なるべく高い場所から無指向で遠くまで電波を飛ばすのが役割で、細かいスペックにも丁寧にご対応いただいた記憶があります。

移動局用のアンテナを供給いただいた安展工業さんと共に、移動通信インフラを支えたメーカーさんですね。

bookmark_border[146] ホイッスラー現象と南極

大学では一般教養科目にはあまり興味はありませんでしたが、専門科目には興味を引く講座が多く、その中でも、電磁波を専門とする教授の講義は特に印象に残っています。

アマチュア無線では扱わない数KHz程度の超長波(VLF)が地磁気の磁力線に沿って伝搬する「ホイッスラー現象」の様子や、その教授が南極越冬隊長をされたときのスライドなど、情報量が豊富な割には易しく楽に受講することができたように思います。

最近のCQ誌にも南極越冬隊の記事が載っており興味深く拝読させていただいています。電波伝搬は自然現象ですので、様々な自然現象を観測する南極観測と電波は切り離せないものがありますね。無線業務に携わる方には、南極に対して特別な思い入れのある方が多いのではないかと想像します。

ところで、今活躍している南極観測船は「二代目しらせ(5003)」ですが、「初代しらせ(5002)」は船橋にあるサッポロビール千葉工場横の岸壁に係留されています。以前訪れたときは内部を見学できビデオなども見せていただきましたが、今はコロナの影響で見学は中止しているようです。

そこは、日本に居ながらにして南極気分を味わえる貴重な場所かも知れません。