bookmark_border[38] ビギナー向け設備

CQ誌最新号の特集は「アマチュア無線機購入ガイド」で別冊付録に「2020アマチュア無線機器カタログ」というのが付いており、最近のリグが多数紹介されていてとても参考になりました。

当局が使っているリグはFT-450DM、アンテナはベランダ設置の短縮ダイポールHFV5で、いわゆる「ビギナー向け」設備の部類です。

私は中級機や高級機(の所有)に対する憧れはあるものの、それらはおそらく当局の使用環境にマッチせず宝の持ち腐れに終わってしまいそうで、購入意欲を掻き立てられるまでには至っていません。そもそも原資が限られているという事情もあり、今の設備構成はバランスが取れていると自己満足しています。

電波の飛び方はリグよりもアンテナの性能や周囲の状況に大きく左右されますので、私の環境下ではビギナー向けリグで十分だと思っています。その中でいかに交信エリアを広げていくかが課題で、今後の楽しみの一つでもあります。

bookmark_border[18] アンテナ調整

アンテナの設置が完了しましたので、各バンドで調整を行いました。

バンド毎にSWRを最小にすべきターゲット周波数を決め、HFV5の取扱説明書に記載された「標準周波数」「標準エレメント長」「エレメント長変化に対する周波数変化」の情報を元にExcelを使ってターゲット周波数に対応するエレメント長を算出し、エレメントを一旦その長さに合わせ、NanoVNAでSWRが最小になる周波数を見て長さを微調整するという方法で行いました。

周波数はFT8の周波数に合わせるのですが、同一バンド内で複数の運用周波数がある場合、たとえば40mですと国内QSO用は7.041MHz、DX用は7.074MHzですので、両周波数の間で調整しました。

ミリ単位での微調整を行った結果、7.0MHz~7.1MHzのSWR特性は以下のようになりました。センターは7.058MHzくらいで狙い通りです。

SWRの最小値がぴったり1になっていますが、これは横着して室内で測定したものですので、進行波・反射波ともに一定程度減衰し、測定点でのSWRは実際よりもかなり良く見えているのではないかと思います。ちなみにアンテナまでのケーブルは5D2V 10mです。

HFV5 SWR (40m)

この調整を通じて短縮ダイポールの帯域の狭さを実感しました。リグ内蔵のアンテナチューナを使ったとしても送信可能範囲は7.03MHz~7.08MHz程度と思われます。今後、FT8だけでなくSSBやCWを行うときは、その都度調整し直すか別のアンテナを考えなければなりません。

もしくは、せっかくアンテナが手に届く位置にありますので、アマチュア精神を発揮してエレメントにクリップを付けて同調点をずらしてみるなどは、やってみる価値はあると思っています。

なお、エレメントの長さ調整を繰り返すうちにエレメント固定用のイモネジ(セットビス)の頭の六角穴がなまってきますので、予備ネジの準備が必要かも知れません。HFV5に使われているイモネジはM4x3のようです。

 

bookmark_border[17] リグとアンテナの設置

FT-450DMとHFV5を設置しました。

リグはいい感じで机上のラックに収まりました。表面のシボが堅牢なリグの雰囲気を醸し出しています。ツマミのシルバーリングとゴールドの印字がアクセントになっていて、横長のディスプレイや筐体の縦横サイズのバランスとともに一時代前の安定感のある通信機といった感じです。八重洲無線はこの機種の生産中止を発表しており、今後は新品を手に入れるのが難しくなるかも知れません。入手できて良かったです。

FT-450DM

アンテナは上階のベランダ底面につっかえそうですが、集合住宅のため外方向に張り出して設置するのは気が引けこの様なポジションにしました。これでSWRが落ちるのか、電波は遠くまで飛んでいくのか心配ではありますが、この大きさで40m、20m、15m、10m、6mの各バンドにQRVできるのは有難いことですし、調整も手元で楽にできるのであまりストレスを感じなくて済みそうです。当面はFT8の周波数を中心に調整することになると思います。

HFV5

コモンモードノイズ対策のためのフェライトコアもいくつか用意しました。同軸ケーブルやデータケーブルに被せるクランプフィルタです。昔は電波によるTVへの影響(TVI)をいかに回避するかがハムにとって重要な課題でしたが、今はデジタル放送で影響を受けにくくなった反面、PCやゲーム機などの電子機器の動作に悪影響を与えるコモンモードノイズの低減が重要であることをネットの記事で学びました。

 

bookmark_border[16] アマチュア無線再開

今年の春以後、コロナの影響で家に籠る時間が長くなり、アマチュア無線の再開を考えるようになりました。

集合住宅のため、アンテナをどうするかケーブルをどう引き込むかが問題です。使っていないエアコン用ダクトからケーブルを引き込み、アンテナはベランダ用BSアンテナ取付金具に設置することにしました。

今の時代は、V型短縮DPなどの小型アンテナがありますので、アパマンハムにとってHFでも結構ハードルは低いように思います。ただし短縮アンテナのため同調点が急峻で帯域は狭く調整が面倒なようで、そのためアンテナアナライザとアンテナチューナが必須とのことです。

結局、アンテナは第一電波 HFV5、リグはコストパフォーマンスの良い八重洲 FT-450DM(50W機)に決めました。大きな出力に対する懸念は、無駄にアンテナで熱エネルギーに変換されてしまわないか、そもそもアンテナ自体が耐えられるのか、他の機器への妨害、電気代など様々なものがあります。ただそれよりも50Wを超えると移動できない局になってしまいますので、当初から100W機は選択肢にはありませんでした。

またアンテナアナライザですが、安価な小型ネットワークアナライザが出回っていることをネットで知り、アンテナアナライザの代用として購入しました。「NanoVNA」という手のひらに乗る小さな機器で価格は6千円台でした。これ1台で900MHzまでの信号が測定できるそうです。一応ネットワークアナライザですのでフィルタの通過特性も測れますし、信号強度のほか、SWR、スミスチャートなど数種類のフォーマットで表示可能です。また、PCにUSB接続して制御しモニター上に表示ができます。同時に内蔵バッテリーに充電が可能です。

ただ使う周波数毎に較正が必要です(オープン、ショート、50Ω負荷などの較正キットが付属。)それから分解能が低いため測定する周波数範囲をうまく選ばないと、SWRなど大事なディップ点を見落とすおそれがあります。

かつてはアンテナ調整は共振点を見るディップメータを使うのが一般的でした。私は使ったことはありませんが、当時の少年時代の私の感覚からすると高価だったと思います。その頃はOMさんからいただいたSWR計をつないで安心していました。

今ではリグにアンテナチューナや、簡易型ながらもSWR計、パワー計がつき、SWRが3を超えると安全装置が働いてチューニングや送信ができなくなるなど至れり尽くせりという感じです。良い時代になりました。