bookmark_border[57] トリオ(ケンウッド)

私のアマチュア無線の世界はトリオのTR-2200から始まりましたので、トリオには思い入れがあります。

その後、高校時代(70年代半ば)にはトリオのステレオセットを購入しました。セパレートタイプのコンポーネントで、アンプはKA-3300、チューナーはKT-3300、カセットレコーダーはKX-3000だったと思います。同じシリーズでレコードプレーヤーも揃えました。

大きなスピーカーから流れるFM東京のステレオ音楽を聴いたときは、あまりの音の綺麗さに感動しました。当時はスタイリスティックスやヴァンマッコイなどのソウル・ディスコミュージックがよく流れていたと記憶しています。

土曜日の午後1時からのコーセー歌謡ベストテンや、2時からのポップスベストテンも音楽のエアチェック(カセットテープ録音)には最適でした。
その後ケンウッドブランドになり合従連衡で会社も一新してしまいましたが、当時の通信機・オーディオ機器の技術や商品コンセプトは今も脈々と受け継がれているものと思います。

bookmark_border[56] ヤエス

当局は今、FT-450DMを使っています。八重洲無線製のビギナー向けリグで、IF DSPやオートアンテナチューナー内蔵のリグにしてはリーズナブルな価格でコストパフォーマンスが良く、デザインも気に入っています。

ただ残念ながら本機はすでに製造中止となり、流通在庫も少ないようで店によっては既に完売になっています。ビギナー向けにはFT-991AMが選択肢としてあるものの、FT-450DMと比べると実勢価格が8割ほど高いのが難点です。

ちなみに、HF/6mの新製品として12月に発売予定のFTDX10(M)があります。これはSDR機で、機種名に「DX」が付くことからもわかるようにビギナー向けでは無いと思われますが、標準価格は198,000円 (税抜)でFT-991AMとは2万円ほどしか差がありません。スペックなど確認する必要はあるものの、2m/430が不要であればこちらの方が買いかなと思ってしまいます。

ところで、これまで八重洲無線はスタンダードの商標権を購入したり、商号をバーテックスタンダードに変えたり、モトローラにTOBを受けたり自社で持分を買い戻したりと、紆余曲折を経て今に至っています。モトローラのTOBの目的はおそらくヤエスの無線技術(ノウハウや特許)の獲得にあったものと邪推しますが、結局持分を自社に戻しているので技術流出は最小限に抑えられたのではないかと推察します。

モトローラというと、かつてはモバイル通信機メーカーの雄でした。業務用無線機器は世界規模で大きなシェアを獲得していましたし、高周波パワーICやロジックICなども製造していました。昔は、ユダヤ系の企業としてアラブ諸国ではイスラエルボイコットの対象企業となっていたにもかかわらず、機器の性能、堅牢性が買われ、アラブ諸国で輸入されていたこともあります。

今の状況は良くわかりませんが、モトローラから分社したモトローラモビリティ社はレノボの完全子会社になっているようです。

一方、ヤエスは非上場会社になり業績の状況は見えません。ただ海外ではYAESUの無線機の人気は根強いものがありますし、技術者の採用も積極的に行っているようですので心配いらないものと思っています。

bookmark_border[55] アルインコ

当局のリグには、DM-330MVという「アルインコ」製の安定化電源を使っています。

アルインコはモービル機、ハンディ機も販売していますが、私の開局当時はアマチュア無線の分野ではなじみがありませんでした。同社の沿革を見ますと「1977年 工業用無線機器の製造を開始」とあります。元々は建設用の足場やはしご、脚立などの事業を行っていて、無線機器の分野に事業を拡げていったようです。

今もコア事業は建設機材関連で、売上高の67%すなわち2/3を占めています。一方、電子機器関連はわずか6%です。

その程度の割合にもかかわらず、アマチュア無線の分野ではアルインコは一定の存在感があります。同社のビジョンは「ニッチマーケットでトップ企業に」とのことですので、これからもニッチ製品を提供し続けていただきたいと思います。

bookmark_border[54] ICOM

当局のリグですが、過去は「トリオ」(一時期「福山」)で今は「八重洲」ですので、一度も「ICOM」機を使ったことがありません。

開局当時の1970年代前半、ICOMは「井上電機製作所」という社名で「ICOM」ロゴを付けた6mポータブル機のAM3Dを販売していました。その後、松下電器からRJX-601が出ると若者はそちらに飛びつき、それと共にAM3Dの影が薄くなったという印象を持っています。

現在のICOMの業績を見てみますと、売上高は300億円と八重洲無線の2倍余り、利益率も8%程度と機器メーカにしては高利益率を上げているようです。アマチュア無線機事業は高級機路線を行っているように思われ、統一感のある商品コンセプトと相まってビギナー、ベテラン問わずファンも多いものと想像します。

私も一度はICOMのリグを使ってみたいと思っていますが、中々その機会がありません。というか正直なところ私にとってとても高価な買い物になるため、躊躇してしまうといった方が正しいと思います。

クルマのようにリグもレンタル品があればお試しで使ってみることができるのですが、免許の関係で難しいですね・・・

bookmark_border[41] ALC

PCからリグへ入力するオーディオ信号の強さについて「過変調にならないようALCメーターを振らせないこと」とよく言われており、そもそも当局のリグ(FT-450DM)のALCメーターの働きがわからなかったので調べてみました。

リグのオペレーションマニュアルにはALCメーターの説明として「送信回路のALC電圧を表示します。SSBモードの時には、音声入力に従ってメーターが振れます。」とあります。またメーターは相対値を表しているとのことです。
ネット検索してみると関連の話題が「HamRadioForum.net」に載っていました。以下のことが書いてあります。

・the ALC is a little different to other radios. ALC(の動作)は他の無線機とは少し異なる

・As it gets to the limit of the scale it automatically starts to lower the gain to keep the power out within limits. フルスケールまでいくと自動的にゲインを下げてRF出力を規定値内に保つようにする

従って、FT-450D(M)のALCメーターは「フルスケールより超えて振らさない」というのが正しいオペレーションと理解しました。

なお、これまでは安定化電源のアンペアメーターを見て、オーディオ信号レベルを下げていき電流値がストンと落ちる手前のレベルに設定していました。その状態でALCメーターの振れはフルスケールから80~90%程度のところにあり、これが適正値なのかなと勝手に思っています。