bookmark_border[21] FT8(サブキャリアFSK)

そもそもFT8とは何か・・・調べてみました。

開発者のK9AN(Steven Franke氏)とK1JT(Joseph Taylor氏)の名前から「Franke Taylor design, 8FSK modulation = FT8」と名付けられたそうで、今のバージョンはV2のようです。

・方式:8GFSK
・通信速度:6.25bps
・副搬送波周波数:200-2900Hz可変
・周波数偏移幅:43.75Hz
・符号構成:WSJT-FT8符号
・前方誤り訂正符号:LDPC
・電波型式 F1D

変調方式ですが、副搬送波(サブキャリア)に8値のデジタル周波数変調(FSK)をかけ、そのままの矩形波信号では帯域が広がってしまうため、ガウシアンフィルタで波形をなまらせ帯域が広がらないようにしたサブキャリアFSK方式と理解しました。

サブキャリアFSKとは、ダイレクトFSKのように主搬送波(キャリア)を直接たたいて変調をかけるのではなく、一旦副搬送波を介して変調をかける方式です。

【ダイレクトFSK】
「1」「0」の信号を電波に乗せて送信する場合、仮にキャリア周波数を7.100MHz、「1」に対応する信号周波数を1KHz、「0」に対応する信号周波数を-1KHzとすると、受信側では7.101MHz(=7.100MHz+1 KHz)の電波を受けると「1」、7.099MHz(=7.100MHz-1KHz)の電波を受けると「0」の信号が来たと判断します。ただしこの方式では、送信側ではダイレクトにキャリア周波数を変化させる必要がありますので、設備が限られたアマチュア無線の世界では実用的ではありません。

【サブキャリアFSK】
ダイレクトFSKと異なり、一旦サブキャリアを介して変調する方式です。「1」「0」の信号を電波に乗せて送信する場合、仮にキャリア周波数を7.100MHz、サブキャリア周波数を1KHz、「1」に対応する信号周波数を+100Hz、「0」に対応する信号周波数を+200Hzとしますと、受信側では7.1011MHz(=7.100MHz+1 KHz+100Hz)の電波を受けると「1」、7.1012MHz(=7.100MHz+1KHz+200Hz)の電波を受けると「0」の信号が来たと判断します。この様にオーディオ帯域の周波数で信号を作ることが可能ですので比較的簡易な設備で実現できます。

これらは2値FSKの例ですが、FT8は8値ですので8種類の信号周波数で変調をかけることになります。8値FSKでは1信号周波数あたり3ビット(000, 001, 010, 011, 100, 101, 110, 111)が割り当てられます。

bookmark_border[19] アマチュア無線用パソコン

FT8を運用するにはリグとアンテナのほかにパソコンが必要です。

信号を生成したり解読したりするパソコンには一定程度の性能が要求されるようなのですが、私が持っているものは小型のノートパソコンで、プロセッサもモバイル低消費電力型の性能の低いものですので、今回アマチュア無線専用に新調することにしました。

入手したのは、およそ12cm角、高さ5cmくらいのミニPCで価格は3万円台のものです。主なスペックは次のとおりです。

・CPU: Intel Corei3(5005U 2GHz)
・メモリ: 8GB
・ストレージ:128GB SSD
・OS: Windows10 Pro

FT8の推奨プロセッサはCorei3以上ということでギリギリです。しかも「5005U」という何世代も前のプロセッサですので、実用に耐え得るか少し不安があります。ちなみにOSは「Home」ではなく「Pro」ということもあり、他のPCからリモートで接続しリグの遠隔運用ができるかも知れません。