bookmark_border[505] 米国各州とのQSO状況

久しぶりに、QRZ.comのサイトで米国各州とのQSOの状況を確認しました。

(QRZ.comサイトAwards画面より引用)

緑色がconfirmされた州です。面積的には6割~7割はいっているように見えますが、州の数では50州のうち23州でまだ46%に留まっています。中部は全滅ですし、東部もMA以外のコモンウェルス各州とはコンタクトできていません。

ちなみに西部と東部にどのようなルートで電波が飛んでいるかを「ウェブ地図で大圏航路を表示する (Leaflet版)」を利用させていただいて見てみました。

(米国西部)

(米国東部)

この様に西部へはほぼ海上を伝搬し、逆に東部へはほぼ陸上を伝搬するのがわかります。電波は電離層と地表との間で反射を繰り返すうちに減衰していきますので、やはり反射での減衰が少ない方が良く飛んでいくということでしょうね。

ついでに南米ブラジルへのルートも見たところほぼ海上です。これより南のアルゼンチンの方が伝搬ルートはもっと海上に寄るので、ブラジルよりもアルゼンチンの方がコンタクトし易いとの実感覚と一致します。

(南米)

当局は電波伝搬のホップ数などの知識はありませんが、そういうことも想定して地形などを見ながら、攻略できない理由について自分なりに納得できれば良いかなと思います。

bookmark_border[504] ATU-100 スイッチ

先日少し触れたように、AUTOスイッチとBYPASSスイッチは一つに纏めて3ポジションモーメンタリトグルを使おうと思っていましたが、ATU-100のマニュアルを読み進めていくうちに、AUTO/BYPASSを同時にONにするモードがあることに気付きました。

・Fast Test Mode

TUNE/AUTO/BYPASSの3つのボタンを同時に押しながら電源ONすると「Fast Test Mode」に入り、全てのリレーに電源が供給され、リレーや制御部含めて素早いトラブルシューティングが可能になるとのことです。

・Simple Test Mode

AUTO/BYPASSの2つのボタンを同時に押しながら電源ONすると「Simple Test Mode」に入り、AUTOやPYPASSを押したり、またTUNEを長押しや短押していくことでキャパシタンスやインダクタンスが変化していき、その時のSWRと入力電力が測れるようです。ただ実際の動作は、使ってみないと良くわからないですね。

なお、当局の手持ちとしてプッシュスイッチが1ケしかなく、3ポジショントグルは2ケありましたので、AUTOとBYPASSはそれぞれトグルを使おうと思います。

ちなみにこのスイッチは、以前カーナビ(TV)の有線リモコンを作ったときに使っていたものです。もう既にお役御免になっているのですが、昔のカーナビにはワイヤレスリモコンが付いていたのに、いつの間にかリモコンは付かなくなっていました。私のカーナビだけかも知れませんが・・・

bookmark_border[503] ATU-100 信号線

このところ連日ATU-100の話になっていますが、細かいところで悩みどころが多く逆にやり甲斐があります。今回は、ATUからシャックに引き込む信号線について考えました。

まずは基板の表面です。

下から主電源(DC+13.8V)、TUNEスイッチ用信号線、I/O信号線(CLK, DAT, GND, VCC, MCLR)です。このI/O信号線はプログラミングや表示出力に使うようですが、このうちMCLRはプログラミング制御や本体リセット用としてリモートで使うことは想定されませんので、そのままオープンにしておきます。

なお、回路図を見るとMCLRは10KΩでプルアップされていますが、かつてページャの設計をしていたとき消費電流の関係でCMOS入力のプルアップは基本的に1MΩだったので少し違和感があります。でもこの端子は定常的に使うものではなく、また外部のノイズによって頻繁にリセットされてもまずいので、この程度の抵抗値が適当なのかと思いました。

ちなみにプロセッサは「PIC16F1938-I/SS」という28ピンのSSOPで、データシートはこちらから参照できます。P.77 §6.4.1のMCLRの説明に「The MCLR pin is connected to VDD through an internal weak pull-up.」との記述があり、MCLRは内部の「弱い(=抵抗値の大きい)」プルアップでVDDにつながっているとのことです。ATUのように外からノイズを受け易い環境ではそれだけでは不足なのかも知れません。

次に基板の裏面です。

ATU-100のマニュアルによると、RB1はAUTOスイッチ、RB2はBYPASSスイッチとのことです。それぞれ写真のB1とB2です。またRA6とRA7(写真のA6とA7)はリグのTX ONコントロール用で、当面は使わないでしょうが一応シャックまで引いておきたいと思います。RA6とRA7は極性が逆とのことでリグによってどちらか使い分ければ良いと理解しました。なお、シャック側のスイッチは、電源以外はチャタリングやノイズ除けのコンデンサが必要ですね。

今後、また細かい材料などを集める必要があり完成はいつになるのか・・・納期を気にすることも無いので、自分のペースでのんびり進めていきます。

bookmark_border[502] ATU-100 到着

先日注文した部品搭載済みATU-100サブアッセンブリ基板と表示器・接続コード(8本)が届きました。

このATUを屋外で使用するための構成を考えてみましたが、結局、下図の様にすることにしました。取りあえずインピーダンス変換用のUNUNは省略です。

屋外ユニットはやはり確実にシールドしたいためアルミケースを使い、雨風に晒されても良いように100円ショップで売っている深めのプラスチック容器を上から被せる形とする予定です。

また室内ユニットの容器は、以前作ったSD330コントローラと同様、100円ショップのものを使おうと思います。透明ケースですので、表示部以外の部分をケースの裏から黒色塗装すれば良い感じになりそうです。

スイッチは、シャックにあったプッシュ(TUNE用)、3ポジションモーメンタリトグル(AUTO/BYPASS用)、オルタネートトグル(ON/OFF用)を使い、コントロールケーブルにはVGAケーブルを使うことにしてコネクタはD-SUB(15ピン)としました。ただAUTO/BYPASSを同時にONにするモードがある場合は、スイッチを分ける必要があります。これは要確認ですね。

コントロールケーブルには室内ユニットから供給されるDC+13.8Vと屋外ユニットから供給されるDC+5Vが各種信号線と共に通ることになりますので、端子の選び方には注意が必要かと思います。

なお、アンテナエレメント用のロングワイヤもあまりコストを掛けず、どの程度長さが稼げるかはわかりませんがベランダ内にIV線を張る形で試してみる予定です。

bookmark_border[501] 限界費用ゼロ社会

最近、KiwiSDRやATU-100などの情報に接するうち、ふと「限界費用ゼロ社会」という言葉を思い出しました。これはかつて米国の某経済学者が提唱した言葉で、インターネット、通信、IT、AIなどの技術の発達により、人々は安価にまたは無償でさまざまな情報を得たりサービスを受けたりできるようになったことで、従来の資本主義経済の形態が崩れ、新しい「共有型経済」へのパラダイムシフトが起こりつつあるというものです。その中で日本は対応が遅れているといった指摘を受けています。

確かにKiwiSDRでは自ら受信機を持つ必要が無く、他者の受信機を使ってSWLやBCLが自由に楽しめますし(本来は受信機を持ってギブアンドテイクが望ましいのでしょうが・・・)、ATU-100はオープン技術のため誰でもクローニング可能で安価なハードウェアが調達できます。またこの様な直近の例を見るまでもなく、パソコン通信やインターネット等の利用にあたり80年代~90年代には気にしていた通信(電話)料金もいつしか定額になって気にする必要がなくなり、必要な情報はインターネットで瞬時に集めることができるようになりました。

今改めて思い返すと、私が初めて「限界費用ゼロ」に近い経験をしたのは3Dプリンタだったかも知れません。今から25年くらい前の話ですが、米国子会社に出向していたとき、ページャ内部の基板や部品を変えずに、外側の筐体だけ顧客の要求に従ってカスタマイズしOEM化するというプロジェクトに参加したときのことです。西海岸パロアルトにあるモールドベンダーに行き超短納期で筐体の試作品を作っていただくようお願いしたところ、CADデータさえ調っていれば新設備を使ってすぐにできるとのこと。修正等含め一週間程度で作って貰えましたが、材質や色はともかくとしてその形状は商品開発を進めるのに支障の無いもので、それまで簡易金型でモールディングしていたときに比べて費用や期間が格段に改善しました。その時は「3Dプリンタ」という存在をあまり良く認識していませんでしたが、あとでそれが初期の商用3Dプリンタであることを知りました。

話が逸れてしまいましたが、新たな「共有型経済」の中で自分は何を貢献できるか、中々難しい課題です。世の中、社会貢献やSDGs、カーボンニュートラルの取り組みを謳った企業が多いですが、個人レベルでも何か明確なビジョンを持つことができれば良いのですが・・・