bookmark_border[484] ATU用ロングワイヤの留意点

先日屋外型ATUについて書きましたが、今回はアンテナエレメントとして使用するロングワイヤの留意点について調べてみました。

一般に言われているのは「エレメント長が使用周波数の半波長にならないこと」というものですね。

半波長のエレメントですと、定在波が乗っているエレメント端の電流はゼロで電圧は腹になります。従ってATUには高電圧がかかりATUによっては壊れる可能性があるので、エレメント長の選び方には細心の注意が必要とされています。

そこで、まずは各バンドにおける半波長の長さを計算しました。周波数はJARLのアマチュアバンドプラン(令和2年4月21日施行)から引用しています。

当局の設置環境を踏まえた現実的なエレメント長としては6m程度までかと思いますが、そうすると、単純に以下の長さのエレメントではATUにダメージを与える可能性があることになります。

15mバンド:7m~7.1m
12mバンド:6m
10mバンド:5m~5.4m
6mバンド:2.8m~3m

逆に使用可能な長さですが、少しマージンをとって・・・

① ~2.6m
② 3.2m~4.8m
③ 5.6m~5.8m
④ 6.2m~6.8m

また「エレメント長の整数倍も使用周波数の半波長に落ちてはいけない」こともあるようですが、これについてはまだ良く理解できていません。

ただ、それを考慮すると短いエレメントではあまり選択肢はなさそうで、①は使用不可能と考えます。③も範囲が狭いため選び難いですね。某参考書で推奨されている「3.8m」「6.5m」は、いずれのバンドの半波長にも落ちないですし整数倍しても大丈夫な様です。

なおATUからエレメントにつながっているケーブルもアンテナエレメントの一部になりますので、その長さも足し合わせて考える必要があります。またベランダなど周囲の影響を受けやすい環境では、理論通りにはいかないと思われます。

結局、自分としては「3.8m」か「6.5m」かの二択になってしまいますが、アンテナ効率を考えると6.5mの一択で、これをベランダに張れるかどうかが課題です。まだATU入手の目途も全く立っていない中での妄想は続きます。

(2022.1.14.訂正)
上述の「『エレメント長の整数倍も使用周波数の半波長に落ちてはいけない』こともあるようですが、」の部分ですが、「エレメント長は使用周波数の半波長の整数倍になってはいけない」の間違いのようです。半波長の整数倍の長さのエレメント端でも電圧は腹になりますから、確かにそうですね。

bookmark_border[478] 屋外型ATU比較

今年はDXCC(100)を目指してFT8をのんびり運用していこうと思っているのですが、やはり空のコンディション頼みという部分が大きく、どうしても受け身になってしまいます。

そこで自ら何かできないかと思い、禁断の屋外型ATU(Antenna Tuning Unit:アンテナ同調ユニット)について調べ始めました。なぜ禁断かというと、大枚をはたいてATUとエレメントを設置したものの結果が期待外れだったときのショックを想像すると迂闊に手を出すのは危険と思っているからです。また5m~6mもの長さのエレメントをベランダから外に出す勇気も中々湧いてきません。

ただ一方で、少しでも可能性があるのであれば試してみたいという気持ちも大きくなっています。

小遣いを貯めながら何か月先になるかわかりませんが、将来のATU導入に備えてまずはネットでどの様な選択肢があるのかチェックし、比較表に纏めてみました。

なおこれ以外にも色々とあるようですが、当局のリグに適合しなさそうなものと、金額/性能のバランスが取れていなさそうなものは独断で省いています。また、見落としも結構あると思います。

ちなみにこれらはネットから拾ってきた情報ですので内容に変更があるかも知れませんし、正確性については保証の限りではありません。

当局の免許は50Wで、今後もそれを超える出力を出すつもりはありませんので、以下の3択になるかと思います。

・FC-40
・CG-3000
・MFJ-926B

ここでMFJ-926Bの重さを「?」としたのは、参照した資料には1ポンドと記載されていたもののそれが正しいとすると454gとなり、他のATUと比べて極端に軽いため疑問に思ったからです。

MFJの特長は何と言ってもコントロールケーブルが不要なことです。ただスペック上の周波数は30MHz止まりです。他方、FC-40は50MHzまで対応しており最安ですし、当局のリグはFT-991AMですので整合性や使い勝手の面では最適です。

CG-3000はコントロールケーブルが必要なことと30MHzまでしか対応していないということですので、他のATUとの比較では少し厳しいという感じです。

従って、今時点では「FC-40」「MFJ-926B」の2択ですが、そのうちFC-40のケーブルレス版が出ないかなと期待したいところです。ATAS-120Aがケーブルレスなのでその技術を応用すればできるのではないかと素人ながらに思ってしまいます。また、リセールバリューや保守対応、納期のことも考えておいた方が良いかも知れません。

いずれにせよ、まだ数か月間は悩むことになりそうです。

bookmark_border[283] FC-40

CQ誌の記事に触発され、ATUのことが気になってFT-991AMに使えるものがないか調べてみました。リグのマニュアルを見るとオプションとしてFC-40が載っています。

ただ160mをカバーするには20m以上のワイヤが必要なようです。7m長程度ですと80mバンド止まりかと思います。

同軸ケーブルやコントロールケーブルはFC-40付属のものを使うように書かれていますが、長さはそれぞれ5mしかありませんので設置場所が限られそうですね。

そもそも7m長のエレメント自体、実現できるのかも想像がつかず、当局にとってATUは何かちょっとハードルが高い気がしてきました。

bookmark_border[278] 「よく飛ぶ」アンテナ

CQ誌7月号ではアンテナ設置に関する特集記事が組まれており、正に当局が抱える課題とぴったりだったため一気に読みました。

その中で特に興味深かったのが「よく飛ぶアンテナのための知識と実践」です。アンテナとしては、屋外型オートアンテナチューナ(ATU)と長尺エレメント、カウンターポイズの構成が紹介されています。

これまでATUというと長い釣り竿アンテナと組み合わせて使うものというイメージで、当局には無縁のものと思っていたのですが、釣り竿にこだわることなく7m長程度のエレメントをどの様な方法で実現させるか、その課題を解決できれば可能性がありそうです。ただその前に「おサイフ」が大きな問題として立ちはだかってはいますが・・・

また、当局のリグに使えるATUが存在するのかどうか・・・それさえもまだ良くわかっていません。

アンテナはマッチングを取るのに結構面倒なことを痛感しており、SD330も電動ながら所詮手動ですので、アンテナ側で全自動でマッチングが取れるシステムにはとても惹かれます。

エレメントをベランダ面から外に出さず、HF帯で「よく飛ぶ」アンテナを実現できれば最高です。