[613] 空中線電力と入力電力

昨日はQSLカードについて書きましたが、ふとOutput(送信出力)の欄を見て、たしか昔はInput(入力電力)表記ではなかったか・・・と思い、記憶を辿ってみました。

まず「空中線電力」とは、Wikipediaに解説されているように「送信機が空中線(アンテナ)に対し供給する電波の電力(強さ)」のことで、局免にはそのアマチュア局の運用で許容される最大の電力が記載されます。

ただ、それはあくまで送信機から出力できる最大(許可)電力ですので、実際の運用における送信出力と必ずしも一致する訳ではありません。

他方、Input(入力電力)は送信機終段の陽極(プレート/コレクタ)に入力される電源電力で、送信出力は免許上の電力を超えないことを前提としていますが、この終段入力はリグや回路効率、また調整状態によっても変わりますので、交信時の終段入力情報をQSLカードに記載することは、当時としてはそれなりに意味があったものと思われます。A級アンプは最大効率50%ですので、入力の約半分を送信出力と認識したと思います。

現在では、オペレータは送信出力の方をデジタル的に調整するのが普通かと思いますので(リグ内部でやっていることは昔とさほど変わらないかも知れませんが)、QSLカードには送信出力を記載するのが自然なのでしょうね。

ところで、私が7エリアで最初に開局したときは、局免の申請時には実に様々な事項を記入していました。

これはトリオのTR-2200という2m FM(1W)のポータブル機で申請したときのものですが、まずは「アマチュア局事項書」に電波形式、周波数範囲、空中線電力を記載します。これが局免の記載事項の元になります。希望する空中線電力を「10W」と書いていますね。

次は「工事設計書」です。送信設備の一項目として終段入力の記入欄があり、「1.7W」と書いています。上の、希望する空中線電力(10W)との関係は・・・?疑問です。

「MHz」表記か「MC」表記かですが、申請用紙の書式を見ると「MHz」と印刷されているのに対して、「MC」と手書きしています。参考にしたものをそのまま写したものと思われますが、その時はまだ「MC」表記も許されていたのでしょうね。

空中線の高さも「0.66米」と書いていて、これは高さではなく長さですね。今、改めて見ると、自分自身で突っ込みを入れたくなります。

これは受信設備です。

送信機のブロック図も添付する必要がありました。カタログかマニュアルから転記したものと思います。終段は2SC730というトランジスタです。ローカルはX’tal 6ヶの切り替え式です。

こんな内容も提出する必要がありました。

さて、終段入力「1.7W」、希望する空中線電力「10W」で申請した結果、希望通り10Wで免許が下りました。

何か話が発散してしまいましたが、QSLカードに記載する送信電力は、「Output」として文字通り送信機からの出力を記載するのが適当なのではないか、との結論に達しました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です