bookmark_border[489] 電源重畳ATU関連知財

今年に入ってからずっとATUのことが頭の片隅にあり、今回もまたその関係の話題です。

MFJ製の屋外型ATUは、同軸ケーブルに高周波信号と共に電源や制御信号を通すいわゆる「電源重畳」方式でコントロールケーブルが不要なのですが、そもそもこのようなアイディアはいつどこで生まれたのかを少し調べてみました。

とりあえず国内特許・実用新案を検索してみましたが電源重畳自体は昔からポピュラーな技術のようで、アンテナ制御関係に絞ってみたところ「実用新案登録第3034864号」がヒットしました。出願日は1996年8月19日、登録日は1996年12月11日です。特許と違って実用新案は簡易な審査なので出願から登録までが速いですね。請求項の内容は以下のとおりです。

【請求項1】
複数の周波数帯域を有し選択的に周波数を設定して無線通信を行う無線通信機において、選択した周波数に応じてアンテナの整合を行う整合部を備えたアンテナと無線通信機との間の送受信信号を通す同軸ケーブルに、送受信信号と整合部を制御する制御信号と整合部を作動させる電源とを重畳して通すことを特徴とする自動同調アンテナ。

【請求項2】
アンテナ整合部の同調コイルは、同調コイルに内接する導体の摺動子をモータ回転により摺動させてアンテナ同調させる構成とし、無線通信機とアンテナとを接続して送受信信号を通す同軸ケーブルに、モータ電源と、アンテナ同調のSWR信号に基づきアンテナ同調を行うモータの制御信号とを重畳させ、アンテナ整合部では、送受信信号はHPF、モータ電源はチョークコイル、制御信号はBPFにより各信号を分離してアンテナ自動同調をすることを特徴とする自動同調アンテナ。

このようにスクリュードライバアンテナ用の電源重畳に関する考案かと思いますが、請求項1は範囲が広く、ATUをアンテナの一部と解釈することもできそうですね。

ちなみにこれは八重洲無線から出願されたものです。ATAS-120などを想定したものでしょうか。すでに権利は失効しており、また他に特許があったとしても、この実用新案が先行技術となるため、少なくともこのようなコンセプトレベルでは特許について心配する必要はなさそうです。

あとは、実際に電源重畳を実現したり効率良くチューニングするための回路や制御手段、構造関係で特許が存在するのかが気になるところです。制御のアルゴリズムについてはノウハウ的な部分ですので、特許出願はされていないかも知れませんね。

今後、余裕があれば他社の特許なども調べてみたいと思います。

bookmark_border[488] 12m FT8のパイル

昨日はあまり時間が取れなかったため、主に12mと17mに絞ってFT8を運用しました。12mではエクアドルの局が2局見えていて、プチパイル状態になっていました。

ここにはEven側のタイムスロット分しか表示されていませんが、この時、裏では当局も必死になってエクアドル局を呼んでいたのです。しかしながらことごとく空振りに終わりました。そして、2局のうち1局はいつの間にかOdd側の守備に回ったようです。

ちなみにログを確認すると、エクアドルとは昨年10月に30mでコンタクトできていました。残念ながら今回12mでは失敗に終わりましたが、初エンティティではないので諦めがつきます。

その後、12mと17mの間をうろうろして、あまり調子も乗らないので早々に店仕舞いしました。
とりあえず、これが昨日の伝搬状況です。当局の12mの信号はエクアドルに届いていたことがわかり少し残念な気分になりましたが、これも運次第ですので気持ちを切り替えていきたいと思います。

 

bookmark_border[487] 昨日の運用状況

昨日は久しぶりにFT8を運用しました。成果は次のとおりです。なお、アンテナはATAS-120A、コンディションのパラメータは「SFI:110、A:15、K:3」でした。

12m:ベトナム、ASロシア
15m:米国、オーストラリア、インドネシア
17m:国内3局、フィリピン、ギリシャ
30m:国内41局、ASロシア
(計 52局)

初めのうちはDX狙いで息巻いていたのですが初エンティティの局も見当たらず、結局30mに長居してしまい、そこで国内の41局とQSOさせていただきました。このバンドで、一日でこれほどの数の国内局とQSOするのはこれまで記憶にありません。伝搬状況はこの様な感じです。

(30m FT8)

このバンドは40mや15mなどと比べると落ち着いて運用できることと、横目でDX局の状況を見ながら国内局とQSOできることもあって、個人的には居心地の良い好きなバンドです。

夕方になって17mに戻り、ギリシャ局とのQSOに成功しました。ギリシャはこれで2回目ですが17mでは初めてです。

これは昨日の各バンドでの伝搬状況です。今日こそは新エンティティの局とコンタクトできれば良いと思います。

 

bookmark_border[486] 今週のアクティビティ

今週は、平日ほとんど波を出さずじまいでした。先週はQSOパーティで平日も連日運用していたのですが、その反動でしょうか・・・と言っても先週もそれほどアクティビティは高くなかったのです。

そういえば、QSOパーティのログとサマリシートの提出を怠っていました。一応Excelには纏めてありますので、忘れないうちに印刷して切手2枚を調達し、JARLに郵送したいと思います。提出の締め切りは1/31ですね。

この週末はまたHFでFT8を運用する予定ですが、空のコンディションが気になりますね。こちらは天気は良いようですのでホイップアンテナは使えると思いますが、もう少し上空の状況が気になります。

久しぶりに太陽黒点数の推移を見てみると、こんな感じでした。

(「宇宙天気予報センター」より)

年明けに一旦落ち着いて、今は上昇傾向です。ちょっと期待が持てましたので、またDXを頑張ってみたいと思います。

bookmark_border[485] 屋内型ATUは?

これまで屋外型ATUについて検討してきましたが、では屋内型はどうなのか・・・少し調べてみました。

屋内型は電力計/SWR計が付くものや、シンプルで安価なものもあって選択肢は多いようです。電源供給や制御も屋内にクローズしていますので、MFJ製以外の屋外型ATUのように同軸ケーブルと共にコントロールケーブルを這わす必要がなく、また屋外でリレーの動作音を出すことがないため安心です。防水性や耐候性もあまり気にする必要はありません。

ここまでは良いことばかりなのですが、屋内型はリグとフィーダー間のマッチングを取るための装置ですので、フィーダーから先はマッチングがズレたままです。そのためフィーダー自体に定在波が乗ってそこから輻射したり、給電ロスが増えてエレメントに効率良く電波が乗らなかったりで、受信時も同様に肝心の通信目的に使うことが難しくなる可能性があります。

従って、屋内型はリグ内蔵のATUと同じくロングワイヤアンテナに使うものではなく、ある程度調整されたアンテナのSWRを最良点にもっていくためのものと理解しました。

もっとも「フィーダー含めてアンテナ系」との整理であればそれも良いでしょうし、さらに電力計/SWR計付きのATUであれば利用価値は大きいと思います。

また、何らかの防滴・防塵対策は必要でしょうが、安価な屋内型ATUを屋外のアンテナエレメント直下に付け、室内からコントロール線を引っ張って制御することができれば経済的ですし、ロングワイヤのお試しにはいいかも知れませんね。