当局は今、FT-450DMを使っています。八重洲無線製のビギナー向けリグで、IF DSPやオートアンテナチューナー内蔵のリグにしてはリーズナブルな価格でコストパフォーマンスが良く、デザインも気に入っています。
ただ残念ながら本機はすでに製造中止となり、流通在庫も少ないようで店によっては既に完売になっています。ビギナー向けにはFT-991AMが選択肢としてあるものの、FT-450DMと比べると実勢価格が8割ほど高いのが難点です。
ちなみに、HF/6mの新製品として12月に発売予定のFTDX10(M)があります。これはSDR機で、機種名に「DX」が付くことからもわかるようにビギナー向けでは無いと思われますが、標準価格は198,000円 (税抜)でFT-991AMとは2万円ほどしか差がありません。スペックなど確認する必要はあるものの、2m/430が不要であればこちらの方が買いかなと思ってしまいます。
ところで、これまで八重洲無線はスタンダードの商標権を購入したり、商号をバーテックスタンダードに変えたり、モトローラにTOBを受けたり自社で持分を買い戻したりと、紆余曲折を経て今に至っています。モトローラのTOBの目的はおそらくヤエスの無線技術(ノウハウや特許)の獲得にあったものと邪推しますが、結局持分を自社に戻しているので技術流出は最小限に抑えられたのではないかと推察します。
モトローラというと、かつてはモバイル通信機メーカーの雄でした。業務用無線機器は世界規模で大きなシェアを獲得していましたし、高周波パワーICやロジックICなども製造していました。昔は、ユダヤ系の企業としてアラブ諸国ではイスラエルボイコットの対象企業となっていたにもかかわらず、機器の性能、堅牢性が買われ、アラブ諸国で輸入されていたこともあります。
今の状況は良くわかりませんが、モトローラから分社したモトローラモビリティ社はレノボの完全子会社になっているようです。
一方、ヤエスは非上場会社になり業績の状況は見えません。ただ海外ではYAESUの無線機の人気は根強いものがありますし、技術者の採用も積極的に行っているようですので心配いらないものと思っています。