先日ネットオークションで興味深い出品を見つけましたのでご紹介します。昨日午後には即決で落札されて既に終了していますが、出品されていたのは八重洲無線「FT-857DM」(新スプリアス対応)です。
FT-857D(M)というとFT-817/818NDの兄貴分としてHFから430までカバーするオールバンド・オールモード機で、「DM」は最大出力が50Wですので移動運用が可能なリグです。既に生産・販売は終了しており、デッドストックもほぼ無いのではないでしょうか。
その様な状況の中、出品されていたリグは表題に「新品未開封」と謳っていました。
ただ説明文には「DC電源コードは汎用品になりますが、 特に問題無くお使い頂けます。」「外観も、目立つキズ等なく良好」と記載されています。また写真には開封済みのリグ本体が写っており、出品情報からは技適番号は確認できませんでした。ディスプレイには「14.7V」の表示が見られることから、安定化電源ではなく自動車バッテリー用のチャージャで電源供給していたのでしょうか・・・
そして技適番号を問う質問に対して、出品者は以下の趣旨で回答されていました。
・未開封で出品しており開封することになるので価値が下がる
・ネット通販(具体名が記載されていました)で購入したので粗悪品ではないと思う
・他の方を検討して欲しい
と、出品内容にはいくつか気になるところはあるのですが、それはさておき・・・
FT-857D(M)自体はFT-818ND同様、無骨でごつごつしてレトロ感があって個人的には好きなリグです。オプションのメカニカルフィルタを実装できるというのも何か懐かしさを感じます。
周波数安定度やPCとのインターフェースの関係で、FT8などのデジタル通信を運用するには少し手間がかかるかも知れませんが、クルマに常設しATAS-120Aアンテナとデュープレクサを使ってSSBやFMを半固定運用するには最適なリグかと思います。「若者のクルマ離れ」が言われて久しいですが、昔の若者であればニーズにマッチした商品ですね。
このオークションは既に終了しましたが、即決価格が当局の小遣い数か月分もの金額でしたので(「安い!」という反応も聞こえてきそうですが)、残念ながら横目で眺めるだけで終わってしまいました・・・