先日屋外型ATUについて書きましたが、今回はアンテナエレメントとして使用するロングワイヤの留意点について調べてみました。
一般に言われているのは「エレメント長が使用周波数の半波長にならないこと」というものですね。
半波長のエレメントですと、定在波が乗っているエレメント端の電流はゼロで電圧は腹になります。従ってATUには高電圧がかかりATUによっては壊れる可能性があるので、エレメント長の選び方には細心の注意が必要とされています。
そこで、まずは各バンドにおける半波長の長さを計算しました。周波数はJARLのアマチュアバンドプラン(令和2年4月21日施行)から引用しています。
当局の設置環境を踏まえた現実的なエレメント長としては6m程度までかと思いますが、そうすると、単純に以下の長さのエレメントではATUにダメージを与える可能性があることになります。
15mバンド:7m~7.1m
12mバンド:6m
10mバンド:5m~5.4m
6mバンド:2.8m~3m
逆に使用可能な長さですが、少しマージンをとって・・・
① ~2.6m
② 3.2m~4.8m
③ 5.6m~5.8m
④ 6.2m~6.8m
また「エレメント長の整数倍も使用周波数の半波長に落ちてはいけない」こともあるようですが、これについてはまだ良く理解できていません。
ただ、それを考慮すると短いエレメントではあまり選択肢はなさそうで、①は使用不可能と考えます。③も範囲が狭いため選び難いですね。某参考書で推奨されている「3.8m」「6.5m」は、いずれのバンドの半波長にも落ちないですし整数倍しても大丈夫な様です。
なおATUからエレメントにつながっているケーブルもアンテナエレメントの一部になりますので、その長さも足し合わせて考える必要があります。またベランダなど周囲の影響を受けやすい環境では、理論通りにはいかないと思われます。
結局、自分としては「3.8m」か「6.5m」かの二択になってしまいますが、アンテナ効率を考えると6.5mの一択で、これをベランダに張れるかどうかが課題です。まだATU入手の目途も全く立っていない中での妄想は続きます。
(2022.1.14.訂正)
上述の「『エレメント長の整数倍も使用周波数の半波長に落ちてはいけない』こともあるようですが、」の部分ですが、「エレメント長は使用周波数の半波長の整数倍になってはいけない」の間違いのようです。半波長の整数倍の長さのエレメント端でも電圧は腹になりますから、確かにそうですね。